そんなんはドライで寂しいなァなんて思っていたのですが
「悪人」という映画を観て余計にさみしくなりました。
ストーリーは至って簡単で
殺人犯の殺人した経緯と、被害者の殺された経緯と、その周りの人達が事件を通してどう過ごしたのかということが綴られたもの。
ついでに殺人犯の逃亡中の恋愛模様も描かれる、といえばいいのか。
恋愛模様についてはさらさら興味がありませんでしたが(正確に言うとなんで女が殺人犯を好きになったのか気持ちの揺れ動きに共感全くできなかった)、
被害者と周囲の人間の人間像にショックを隠しきれません。
ただただ、
満島ひかり演じる被害者を見て同情しながら傷つき、
岡田将生演じる被害者を軽くあしらった男の人間性の嫌らしさに腹が立ちつつ、
樹木希林の演じる殺人犯の祖母と、柄本明演じる被害者の父に心打たれ
なんというか…
他人を高い位置から見下してあざ笑って、自分のことしか考えていない若者が描かれていました。
それが結構見ていて辛かった、自分を見ているようで。
だからと言って古き良き繋がりで育った大人がいい、田舎がいいだのそういうことを言うつもりは全くありません。
自分のせいで傷ついている人を沢山みて、それが辛かったというだけです。
こういう時、言わずもがなマスコミも酷いように描かれるので、もうメディアの身勝手さに何度も失望。
とにかく事件を盛りたてるの、好きですよね…
この映画もあって最近思うのは、
自分のエゴのせいで人を傷つけてしまったら、そんな人を見て結局自分が傷つく、ということ。
被害者然り、自分に降りかかってくるんじゃないかな、ということ。
だったらちょっと辛くても自分が耐えれば、周りは幸せに生きられるんじゃないの?ということ。
人のこと想いやれない世の中は寂しいな、ということ。
とはいえ、
自分ばかり耐え忍んで傷ついてるだけだと、
ただのドMですからね、
辛いだけです。
ある程度はリリースしないといけないのだな、と。
映画を観た直後はショッキングで衝撃的で、
もう何も考えられずに呆然と帰宅したのですが、
やっと頭を整理できた時、そんなことを思ったりしました。
自分を傷つけまいと他人を傷つけてしまった数々の所業を思いだしては、
胸が痛くてたまりません。
これから、しっかりと償っていかなくてはなぁと、
そう思う所存であります。
ん?暗いですか?
個人的には全然暗くないんですけどね…
前を向いて進んでいくのみです。