- 旭鷲山へのインタビューをまとめた本を読みました。
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旭鷲山の幼少時代のモンゴルでの暮らしや、
来日の背景、入門、関取昇進など。
さらに現在をみつめながら、将来についても語っています。
一番の見どころは、第2章。
文化・習慣の違いになじめず、仲間と企てた部屋からの脱走。
そこからどうして各界に踏みとどまったのか、
「日本でもう少し相撲をとってみよう」と思うようになるまでの心境の変化に、心動かされます。
本当に泣けるんですよ…この部分。
確かに、文化の全然違う日本で、しかも厳格な習慣のある相撲部屋で暮らすなんて、
並大抵の気力がないとできやしないものだと思う。
旭鷲山が本書で述べているモンゴルと日本の違い。
何から何まで全然違うんだ。
まず、モンゴルという国は1990年代まで社会主義国だったということ。
日本という国のイメージはそこで植えつけられていた、ということ。
あまりいいイメージがないようで、かなりの偏見があったようです。
また、日本に来ても言葉の壁がある。
「なんで敬語を使うのか分からない」というようなことが書かれていた。
朝青龍の舞の海への「顔じゃないよ」発言も、こういうところからきているのではなかろうか。
お金の使い方も違うと思う。
日本のお金はモンゴルではかなり高価な額になるらしい。
だから、ちょっとの寄付でも大量の金額になる。
モンゴルなど、外国から来た力士達は、日本の力士よりも「出かせぎ/親孝行」という理由で相撲をしている率が高いと思う。
旭鷲山は入門後から、ずっと親孝行のためにお金を使っていたみたいだし。
だから、やっぱり違うよね。
苦労したと思う。
第一人者というのはそういうもんだ。
でも、第一人者が旭鷲山だったからこそ、
後続の朝青龍や白鵬、その他たくさんのモンゴル力士が活躍できているのだと思う。
面倒見が良かったり、うまく紹介したりしていたんだと思う。
それと、
旭鷲山はずっと母国のこと、ニッポンのことを愛していて、
どうすればお互いが近寄れるかを第一に考えていたように思えた。
この本には、両方の国への愛がぎっしり詰まっているのが読み取れた。
だから、この本を読んでモンゴルに興味を持たずにはいられない。
モンゴルの実情、生活、文化、歴史などを知った上で、
いつかモンゴルに行ってみたいな~なんてのも思った。
ひとつ疑問に思ったこと。
旭鷲山はこの本の中で、「政治家になるつもりはなく、親方になりたい」「日本の相撲に恩返しがしたい」と言っている。
なのに、なぜ現在政治家になっているのだろう。
なぜモンゴルに戻ってしまったのだろう。
将来のことを考えたとき、もっと日本とモンゴルとの友好の架け橋になりたい、と思ったのかな。
気になって仕方がない。
でも、旭鷲山、文章を読んだ限りだと、
モンゴルのこと、日本のこと、相撲のことなど、深く考えていて、
すごく頭がよさそうに思えた。
だから、政治家になるということは、彼の活躍する場としてはふさわしかったのかもしれない。
それと…
著書の中で、
「技のデパートモンゴル支店長」と呼ばれて…云々と書かれていたけれど、
「技のデパートモンゴル支店」の方が馴染み深いので、
あ、「長」がついてる、と思いました。(どーでもいい!!)
そんな感じで、
今関心が高くなっているのは「モンゴル」。
長期休暇がとれたらモンゴルに行きたいなぁと心から思っています。