元立呼出し・兼三さんの「ごっつあんです」を読みました。
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本人がインタビュアーに語っていることを
そのまま文にしたような形で載っているので、
文体は語り口調。
それが江戸っ子テイストでかなり良い!
内容は、兼三さんの呼出し人生を振り返るのが前半、
後半は大相撲の四方山話で、隠語や歴代の力士との交友録、現在の相撲界についてなど。
個人的には、昔の相撲界の有様にショックだったけどね。
だって、てっぽう柱にくくりつけられて一晩放置されるとか、
コンビニもない時代夜中にタバコ1本だけ買いに行かせられるとか、
人が多くて部屋で寝られず、やむを得ずトイレの近くで寝ていたとか…
もう衝撃的で。
戦後の相撲部屋ってどこもそんな感じだったの?!
ジェネレーションギャップですよ。。。。。。
現在の相撲界について兼三さんは本の中で嘆いていたけれど、
私からしてはピンとこない点がしばしば。
やはり現代の思想と昔の思想は違うのかな、と思った。
今は部屋が分割しすぎていると思うし、
個性を大事にする時代だから、
何もかもを厳しくビシバシというわけにはいかないんじゃないかなぁ。
時代に合わせて変わっていくところは変わってもいいと思うけど、
大事に残していかないといけないものを見極め、しっかりと後世に伝えていかなくちゃならないのだと思う。
なーんて、相撲部屋の生活についてよく分かっていない者が口出しをしてもまったく説得力ないけれど。
隠語はすっごくタメになりました。
「おまえ、ホシの前だとヒタチのくせして、ずいぶんトウスケだな」
という意味が分かるようになりました。
・ホシ=彼女。
・ヒタチ=ほら吹きで見栄をはる人のことをさす。常陸潟という力士が由来。
・トウスケ=ドケチなこと。藤田川藤介という力士の名前が由来。
楽しいですね。
あとは~双葉山のこととか、一代目若乃花のこととか、いろいろ書かれていて、
昔の力士のことも勉強になりました。
総じて、昔の相撲界のことを知る良い一冊でした!
図書館で借りたものなので、返してしまうのが惜しいくらい!!
兼三さん、いい本を後世に残してくれてありがとう!!!
ネットを徘徊していると、
どうやら兼三さん、お江戸両国亭の寄席に出演したことがあるようで。
またそのような機会があったら、ぜひ聞いてみたい。
直接本の感想とか言えたらいいのにな~って思っています。