2013年5月6日

「 アンパンマンとやなせたかし展」鑑賞―アンパンマン過去作品は、愛と勇気とシュールさに溢れた作品だった


日本橋三越本店で開催されておりました、
アンパンマンとやなせたかし展」に行ってまいりました。


アンパンマンの左隣に描かれているのが、
やなせたかし先生をデフォルメしたキャラ“やなせうさぎ”。
似ていらっしゃいますね。

やなせたかしせんせい | アンパンマン http://anpanman.jp/sekai/

やなせ先生は、過去に三越の宣伝部でデザイナーとして働いていたことがあるそうで、
やなせ先生ご自身が会場のお客様へのメッセージで(お歌を歌ったVTRが流れていました)
そうおっしゃっていました。
そんな経歴をお持ちとは、つゆ知らず。
その後、フリーとなり絵本作家となられていったのですね。

アンパンマンはやなせ先生のライフワークと言っても過言ではない作品。
過去の絵本からの作品や、
大きなカンバス?に描かれたイラストが展示されていました。
(アンパンマンミュージアムに展示されているイラストとよく似ていました)

突然ですが…
アンパンマンの絵本、読んだことありますか?
初版などのアンパンマンはシュールでとてもおもしろい!
展示されていた絵本の中身を見て、ビックリしました。
まず、1979年7月発売の「あんぱんまんとばいきんまん」。
ばいきんまんが初登場する絵本です。
お話は、ジャムおじさんが鬱々としていて、
アンパンマンのあたらしい顔を作る気がないところからスタート。
その時アンパンマンからジャムおじさんへの一言
「あんこが腐りますよ」
衝撃的でした。
その後、アンパンマンがばいきんまんにやられて空から地面に落ちてしまうのですが、
頭から落ちて顔が潰れあんこがはみ出るとか…
それに怒ったじゃむおじさんがばいきんまんに対抗するために
巨大な顔のジャイアントあんぱんまんを作ったのですが、
その顔が大きすぎて家から出れず、屋根をぶち壊して飛び出て行ったとか…
展示された絵本の中身を見ながら、笑いを必死に堪えました。


2.
次に、1981年9月発売の「あんぱんまんとしょくぱんまん」。
しょくぱんまん初登場の絵本なのに、
登場するのはほんの最後、アンパンマンに新しい顔を届ける1コマのみ。
タイトルにもなっているのに、
「出番それだけかよっ!」とツッコミをいれたくなります。

3.
1985年9月発売の「アンパンマンとカレーパンマン」。
とにかくカレーパンマンのカレー臭が話の至るところに出てきます。
そう、この話のシュールなところは、カレーパンマンのカレー臭。
ジャムおじさんがカレーパンマンの口にカレーを補充してる時も
アンパンマンがそのカレー臭がきつくて窓を明けたり、
アンパンマンとカレーパンマンがSOSに対してパン工場を飛び出すときも
未だ放たれるカレー臭…(なんかところどころ口から飛び散ってました…)
さらに、
星の子ルルンというちっちゃな異星人(女の子?)をばいきんまんから救うのですが、
2人はルルンがおなかをすかせているということでごはんをごちそうしようとしたところ
アンパンマンのあんぱんよりカレーパンマンのカレーライスを選んだルルン。
理由は「美味しそうなにおいがするから」
…まだカレー臭漂わせてたのかよっ!!!
アンパンマンは拗ねて帰り(これまたなかなかないシュールな展開)、
カレーパンマンがルルンの星へ招待され、カレーをごちそうします。
そして何故か朝帰り…(なんで一晩泊まったんだ…と大人は色々考えてしまいます)。

お子様に対してメルヘンチックなお話を届けているアンパンマンが
原案では実は結構メルヘンチックじゃない部分もあったりで
それがとても面白いです。

残念ながら絶版となっている絵本もあり、
ここで写真を掲載することが出来ないのですが、
気になる方はどうにかこうにか探してみて下さい。

ほかに展示されているものとしては、
アンパンマンのそれぞれのキャラクターの解説、
やなせ先生の生活、深いおことば、
アンパンマン以外の作品の展示などがありました。

期待以上におもしろい企画展で、
子供よりも大人が楽しめるのでは、とすら思いました。

5月1日〜6日の展示なので、残念ながらもう本日で終わってしまいます。
ですので、この記事は既に回顧録の意味合いしかなしておりません。
無念!
いやぁ、でも本当に楽しかった。

家族に聞いたところ、
自宅の屋根裏の収納に過去のアンパンマンの絵本がまだとってあるようです。
確かに、小さな頃、アンパンマンの顔がほとんどなく飛行している絵本とか、
読んだ覚えがありますが、

子供の頃読んだ時にはシュールさを全く感じとっていませんでした。
大人になってから感じ取れる、幼児向け絵本のかわいらしさの中にあるシュールさ、
そんなものがあるのかもしれませんね。


今屋根裏のドアが壊れているので確認できないのですが、
もしかしたら、これらのシュールな絵本もあるかもしれません…!


アンパンマンとやなせたかし展 | 日本橋三越本店 http://www.mitsukoshi.co.jp/store/1010/anpanman/