2013年1月9日

劇団☆新感線「ZIPANG PUNK~五右衛門ロックⅢ」観劇レポート

※一部、ネタバレを含みます。ご注意下さい。


劇団☆新感線のSHINKANSENRX「ZIPANG PUNK~五右衛門ロックⅢ」を観ました。

五右衛門ロックシリーズの3作目。
1作目は観ていませんが、2作目の「薔薇とサムライ~GoemonRock OverDrive」を観劇し、
そのスケール感、音楽、華やかさに魅了され、
第3作目の今回も観劇したく、観に行きました。

石川五右衛門を演じる古田新太さんの脇を支えるのは、
客演の三浦春馬さん・蒼井優さん。
そして前作「薔薇とサムライ~GoemonRock OverDrive」にも出演した浦井健治さんも
同役で出演。
所は、日の本。
豊臣秀吉が天下統一を果たし、この世の栄華を一手に握っていた時代。天下に名だたる大泥棒、石川五右衛門(古田新太)は、ひょんなことから若い女盗賊、猫の目お銀(蒼井優)とともに空海が開いた津雲寺にある黄金目玉像という古い仏像を盗むことになる。
その津雲寺を預かるのは尼僧の春来尼(しゅんらいに・高橋由美子)。新任の京都所司代盗賊目付探偵方である明智心九郎(あけちしんくろう・三浦春馬)との丁々発止の知恵比べのあと、なんとか黄金目玉像を盗み出した五右衛門だったが、よくよく見るとそれは金メッキの鉄像。「こいつはガラクタだ」と五右衛門はお銀に目玉像を渡す。
その頃、秀吉(麿赤兒)は腹心の石田三成(粟根まこと)、前田慶次郎(橋本じゅん)らと朝鮮出兵を見送っていた。秀吉らが去ったあと、慶次郎の前にボロボロのマントを着た謎の南蛮人が現れる。彼はシャルル・ド・ボスコーニュ(浦井健治)、かつて五右衛門がヨーロッパに渡って海賊をやっていた時に知り合った、とある小国の王太子だ。「ゴエモンを探している」と言うシャルルを慶次郎は幼なじみの五右衛門のもとに連れていく。以前、シャルルと共に戦ったマローネ(高田聖子)がまさに空海の黄金目玉像を狙って日本に渡ってきていることを聞かされ、驚く五右衛門。
当の黄金目玉像はお銀が、堺の豪商・蜂ヶ谷善兵衛(はちがやぜんべえ・村井國夫)に渡していた。なんと、そこにはマローネの姿も。実は仏像の底に、空海が唐から持ち帰った大量の黄金のありかが、暗号文で示されていたのだ! そして善兵衛とマローネが用済みとなったお銀を始末しようとすると、現れたのは心九郎。お銀を助けると黄金目玉像も奪い、逃げ去っていく。
果たして、暗号文が示す黄金のありかとは?五右衛門は見事に謎を解き、お宝をゲットすることができるのか??
(公式サイトより引用 http://www.goemon3.com/zipangpunk.html)
スケールが大きく、前作同様見応え抜群。
音楽の生歌・生演奏が格好いいんです。
ロックというか、冠徹弥さんのうたうロックはメタルですよね。
心が熱くなります。
しかも、もう終始歌っているくらいに感じるほどの楽曲の多さ。
ミュージカルに引けを取りません。

三浦春馬さんも蒼井優さんも、あまり歌って踊るという印象がなかったのですが、
お二人、バリバリ歌って踊ってました。

三浦春馬さんは、こんなに野太い声出すんだ!?という印象。
舞台で初めて観ました。
か弱い男性の役が多く、そんなイメージありませんでしたので、びっくりです。
役柄ではさわやかでキザなイケメン探偵で、よくここまで振り切ったなぁ…という感じ。
また、三浦さんの歌の数が明らかに多く、歌いっぱなしでした。
喉大丈夫か?!と心配するくらい。

蒼井優さんはミュージカルのアニー出身だし、バレエも習っていらしたんですね…。
知りませんでした。
華奢な身体ながら、とてもパワフルでした。
数々の舞台をご経験されているからかとても舞台映えしますね。
動きも綺麗です。

高橋由美子さんも歌がとてもうまく、さすがプロだな、と。
拳をまわしていて、もうずばぬけた歌唱力でした。

個人的には二作目客演の天海祐希さんのスケールっぷりが爽快で
五右衛門と天海祐希さんの役(アンヌ)が同等レベルの力だったところが、
お互いの力を認め合っている盟友という感じで素敵だったのですが、
今回の力関係は五右衛門の力の方が強いイメージ。
どちらかというと若い二人に力を貸そう、という感じでした。
若いからしょうがないのかもしれませんが、そこが残念といいますか、
五右衛門にはもっと暴れて欲しかったです。

それと、

「薔薇とサムライ」のアンヌには共感だったり、一緒に嘆いたりハラハラしたり、
頑張れ!という気持ちの加担?共有?をしていたのですが、
それが今回はあまりなく。
あー、果たしてこのまま死んじゃうのかな…という程度でした。
それが前作との違いでしょうか。


また、今回は敵・味方の鞍替えがとても多く、
敵と味方のどちら側につくか、二転三転、むしろ五転くらいしていたでしょうか。
そこが、観客を飽きさせる要因になっているような気がしました。
しまいには「どうせ最後はこうなるんでしょ」と予測できてしまう点がまた残念。
ちょっとついていけませんでした。

とはいえ、3時間45分があっという間に感じるこの面白さ。
この音モノシリーズの壮大さが好きです。
4作目も作ってくれないかなぁ…なんて期待してしまいます。

そんな感じでした。


◆SHINKANSENRX『ZIPANG PUNK~五右衛門ロックⅢ』公式サイト
http://www.goemon3.com/