まだ上演中なので大きなネタバレは書けません。
しかしながら、ある程度は書かないと感想が書けない。
ということで少しだけお許しください。
話としては、
書道教室が舞台で、
親元と呼ばれる師匠が、自らがギリシャ神話のゼウスと名乗り、
教え子達を神話の神々にあてはめて書道をしていく。
その中に「弟が落ちてきた」と、宮沢りえ演じるマドロミが登場し、
その書道道場へ住み込みを開始し、
弟の面影を探すのであった。
最初は訳が分からぬままみていますよ。
そのうち、書道教室がただならぬ場所だと気づき始めます。
そして…。
日本で起こったカルト宗教的なあの事件を生々しく表現するのです。
…。
ストレートすぎて、残酷なシーンが多し。
ある人が死ぬときは残虐以外の何物でもない。
もっと間接的に事件とリンクさせてほしかった。
あからさますぎて直視できません…。
また、野田秀樹のこの事件への意見がよく分からなかった。
事実を語って、「で、何が言いたいの?」と、
そう思ってしまう終わり方。
結局我々は祈るしかないのか??
個人的には、ジャーナリズム批判も含まれていたのかな、とも思いました。
筆一本で世界を変えるというジャーナリストが書道教室に出てきます。
でも彼は結局世界を変えられず、むしろ染まってしまった。
ジャーナリストも真実を暴いて紛糾するはずの立場なのに、
結局は長い物に巻かれてしまい、
批判することを忘れてしまう。
そんな気がしてしまいました。
自分が野球賭博をめぐる一連のマスコミ報道に気がしてしまいましたを持っていたから、
過剰反応してしまっただけだと思います。
野田さんの言葉遊びは相変わらずふんだんに使用されている。
紙=神、墨=住み、ワシ=和紙、など。
聞いていると心地よい。
舞台装置は和紙のようなものを使用。
床や舞台上手・下手には、水に濡れると黒く浮き出る紙を使用。
水で文字を書くと、まるで住み込みで書いたように見えるしくみでした。
なかなか考えつくされたしくみで驚きの連続です。
またまた個人的な考えですが、
描かれていることが、「20世紀少年」にそっくりだなぁ、ということ。
夢見る世界のために人を殺してしまうところとか…。
あぁわかる人がいてくれるとありがたいんだけど、
これ以上のネタバレはできないので抽象的な書き方になってしまう。
役者さんはみんな好演でした。
みんな良いから、特に誰々とは書けない。
オバちゃん役の人は、最近ケガから復活したらしいのですが、
そんなこと知らずに観ていたので失礼だったかしら。
ま、どちらかというと、
演出は好きだけど、
メッセージがチョットね。
そんな感想でした。
追加で書きたくなったらそのうち追記します。