2010年2月4日

悪役朝青龍なき角界なんて考えられないのに、ついにこの日が来ようとは(3日坊主5巡目-1)

朝青龍が引退届を協会に提出した。

今日は読み終えた本の感想や、アフター7で観た演劇の感想を日記に書こうと心に決めていたのに、
今の自分の心境ではとても書けそうにない。

一言でいうと
「ショック」
付け加えるなら
「協会とメディアへの憤り」

朝青龍はそんなに悪い人じゃないと思うんだよね。
床寿さんもかわいがってたし、
ジャンクスポーツの公開処刑では親の愛情に涙も見せた。
知り合いじゃないから実際は知らんけど、某飲料メーカーのCMのキャラのように「ホントはいいヤツ」なんだと思う。


メディアは朝青龍がちょっと暴れん坊だったのをいいことに、「悪役」に仕立てあげたんだと思うんだよね。
協会も「悪役の横綱と正統派日本人横綱」の構図を作ろうと、少なからずは考えていたはず。
もともとガッツポーズをする横綱は朝青龍以前にもいたし、
裏の世界との関わりを持っている疑惑のある力士もいっぱいいたはず。
なのに朝青龍の行動すべてをけなし、
やれ品格だ云々。

彼は彼で考えたと思うんだ。
そして、彼は「悪役」のポジションを受け入れ、メディアや協会の偉い人たちを逆手に取り話題を作っては大相撲人気を支えてきたはずなんだ。

報道メディアの役目は会社の利益の為に特ダネを得て視聴率や部数を伸ばすこと。
だけれどもそれは仕事としての建前であって、
記者は利益ばかり考えてるわけではなく、
その取材対象先を心から愛していて、
沢山の記事・話題とともにその対象先を盛り上げていこうとしてると思うんだ。
メディアと朝青龍は、お互いけなしあいながら高めていっている、そんな関係だと思っていたんだよ。
つい最近までは。


だけれどもこのたび朝青龍がアスリートにあるまじき行為をはたらいてしまった。
真相を探りたい週刊誌やスポーツ新聞の格好のエジキになってしまった。
協会ももう手には負えず、引退勧告。
協会員である朝青龍を制御してなかったのは協会の責任でしょ?
なのに親方や理事は自分たちの権威を保持。
朝青龍だけが悪いのか?
そうなのか…?
ここまで悪役に徹して白鵬と相撲興行を引っ張っていった朝青龍に、
感謝の気持ちはないのかね?

昨今の芸人に顕著にあらわれているが、
メディアはネタや人間を使い捨てする怖い存在だ。
もうすぐ冬季オリンピックが始まる。
そうともなれば朝青龍の問題なぞ皆忘れて日本の活躍を心踊らせて見つめるだろう。
気が付いたら、あぁ3月場所?そいや朝青龍いないんだっけ~ぐらいになる。
散々弄ばれて、最後には忘れられてしまうのだ。


私は、そんな世論の風潮が寂しくてたまらない。


大相撲は大好きだし朝青龍がいなくともその気持ちは変わらない。
ただ朝青龍無き今後、これからの相撲界をしっかり盛り上げていけるのか?
白鵬だけにその役目を負わせるのか?
メディアは白鵬すらも悪役に仕立てあげるのではないか?
そんなんが心配で心配で…。

だから、
相撲協会の方々やメディア、勧進先、タニマチさんをはじめとする関係者全員が奮起して手を取り合って、
今後の相撲界を盛り上げていって欲しいんだ。
それがせめてもの、朝青龍への償いだと思う。

私は朝青龍大好きだったわけでもないし、
昔は大嫌いだったし、
擁護するわけではないんだけど、
マーケティングや宣伝マンを経験してる自分がそういう立場で考えると、
彼ほどすごい影響を与える力士はいないと思って、
心から尊敬しちゃうんだよね。
だから…
寂しいです。






そんなときに太麺堂々のCM(しかも30秒ver.)がテレビで流れる…
あぁゆるくていいな~、
まぁなるようになるかな~ふわぁ~と思うのでした。
なるようになるといいなぁ…