ある力士の、入門してからの1年間に密着したドキュメンタリー。
海外の監督(フランスの監督にモンゴルの撮影監督)の視点で日本の風景を映しだしている、とのこと。
基本は定点カメラで固定して撮影。
ナレーションは一切なく、入門した青年の当時の言葉のみで構成されている。
感想としては…
「相撲を甘く見てました」
という、青年の言葉が物語るように、
力士生活は相当ハードな世界。
現実を叩きつけられた感じがして衝撃的でした。
旭川でスカウトされ上京してきた青年。
最初は部屋の生活の物珍しさにはしゃぐものの、
徐々になぜ相撲という道を選んだのか後悔し始め、
悩みを打ち明けられず悶々としながら毎日同じことを繰り返していく。
眠れない夜、ついに脱走をはかるも、
応援してくれる周りの人たちに迷惑がかかることを理由に再び相撲部屋に戻って稽古を始める。
『「関取」になったら楽しいことも増えるし楽になれるから、
今は辛抱して強くなりたい。
どんなことも我慢して辛抱できるようになるのが今の目標です。』
当時未成年だった彼が最後に語った言葉にはとても重みがあった。
その歳でもう、辛抱という言葉を立派に語れるようになっている。
それだけで彼はどんな若者よりも強くなっていると思う。
しかし本当に衝撃的。
華々しいのは一握りで、彼のような若造が夢を抱えて入門しながらも日々自由にならない生活に辛抱しながら暮らしてるんだなぁと思うと…
密着した青年が相撲未経験者だったからこそ、
そして外国人監督だったからこそ、
相撲の世界を素人目で語り、素人目で覗くことができたんだと思う。
天晴。
映像の中にはなかなか見ることのできない稽古風景、共同生活、相撲教習所での講義・指導、千秋楽後のパーティー、オフの生活、新弟子検査や前相撲の風景を見られて、
相撲ファンなら知りたい裏側がたっぷりと映っていた。
それだけでも満足。
ちなみに密着されていた青年は旭大星という大島部屋の力士で、
撮影されたのは2008年1月からの1年間。
入門後2年が経過した2010年初場所では三段目で5勝したようです。
これからどんな相撲を身につけていくのか。
しっかりと応援して見つめていこうと思います。
…本気で4日坊主になりかけましたが、
ちゃんと更新したぞぅ…。
ぐふぅ。