うちゅうのゴミのひとつをのぞいて、全部食べてしまいました。
宇宙ステーションにいるみらい博士のところにほうこくにいくと、
はかせはこう言いました。
「よくやった。さぁ、私をお食べなさい」
はかせは人間ではなく、うちゅうゴミが爆発と融合を重ねて出来上がった偶然の産物だったのでした。
ごみくうまるは、自分にインプットされた使命には抗えず、
みらい博士をそっと優しく食べてしまいました。
(噛まずに丸呑みできるくらいに身体が巨大化していたので、それはたやすいことでした)
スペースデブリの身体から油だか水だか分からない液体がこぼれ落ち、すぐに気化してどこかに消えてしまいました。
こうして宇宙のごみはなくなりましたが、
ごみくうまるは地球に帰る術も知らず、
ただ1人、孤独に地球の軌道を回っているしかないのでした。
地球の人間は、みらい博士の作った、否、人間のエゴでできた、たったひとつの太った宇宙ごみを、
「スペースデブリ」と名付けたのでした。
(おわり)